火災はオーナーとして最も責任が問われる問題です。一瞬にして財産がなくなるばかりか、近隣に類焼すれば損害賠償や復旧費用の問題も発生する場合っがありますし、防火管理者の選任を怠った場合には責任問題に発展してしまいます。
新宿歌舞伎町雑居ビル火災の場合は、出火原因は不明ながら、防火管理体制の不備により、防火戸付近に閉鎖に障害となるものが置かれていたため、被害が拡大したと見られています。新宿消防署は消防査察で消防違反を指摘していましたが、ほとんど改善していなかったことが分かりました。
東京消防庁によると、違法状態として指摘されていたのは、
(1) 防火管理者のミ選任
(2) 消防計画の未作成
(3) 避難場所の障害物
(4) 消化訓練の未実施
(5) 消防設備の未点検
(6) 火災報知機の不備
(7) 避難器具の未設置
(8) 誘導灯の不点灯
その結果、雑居ビルのオーナー、テナントの経営者、管理会社ら6人が業務上過失致死罪等の容疑で起訴され、刑事責任が追求されています。この火災をきっかけに消防法は大きく改正され、その内容の一部に違反是正の強化が盛り込まれました